「モラハラでも夫婦カウンセリングはできる?」してはいけないケースと支援者としての境界線

こんにちは。
夫婦カウンセラーの北村です。

「夫婦カウンセリングを受ければ、この関係も変わるかもしれない」
「話し合えば、きっと相手も気づいてくれるはず」

そんな希望を胸に、相談に来られる方は少なくありません。

でも、もしその関係に「モラハラ」や「ガスライディング」が潜んでいたとしたら――
その希望が、かえってあなた自身を苦しめてしまうこともあるのです。

今日は、支援者の立場から「モラハラと夫婦カウンセリングの両立」について、少しだけ真面目にお話ししてみます。

モラハラカウンセリング



▪ガスライディングとは?


最近SNSなどでも耳にする「ガスライディング(Gaslighting)」

これは、

・発言や行動を否定される

・「そんなつもりじゃない」「思い込みじゃない?」とすり替えられる

・気づいたら「私のほうがおかしいのかも」と疑い始めている

こうした心理操作によって、少しずつ自身を失っていくことを指します。

しかもこれは、怒鳴ったり命令したりする分かりやすい支配だけでなく、むしろ優しさを装った言動の中に隠れていることが多いのです。


▪夫婦カウンセリングは“対等な関係”が前提


本来、夫婦カウンセリングは「お互いに課題を持っている」「改善したい気持ちがある」という対等な関係を前提にしています。

けれどモラハラやガスライディングがある場合は、
すでに「加害と被害」「支配と被支配」の関係が存在しているのです。

そのため、カウンセリングによってかえって問題が「お互い様」にされてしまう危険があります。


▪中立性がかえって被害者を傷つけることも


カウンセラーは、「中立でいる」ことを大切にします。
ですが加害関係のある夫婦にその原則を適用すると、被害の声が一意見として扱われ、加害の実態が曖昧になってしまいます。

つまり、“中立”であろうとする限り、被害者の声が消されてしまうのです。


▪「相手は変わってほしい」気持ちは自然


多くの方は「離婚はしたくない」「できれば関係を修復したい」と願っています。
その気持ちはとても自然で理解できます。

でも現実には、相手は加害性を認めず「自分は悪くない」と考えているケースも少なくありません。
その状態でカウンセリングを受けても、

・話し合いがすり替えられる

・被害が「被害妄想」にされる

・ますます自信をなくす

そんな結果になることもあるのです。


▪支援者として大切にしていること


私は「どちらにも課題がある夫婦」と「一方に明確な加害性がある関係」は、しっかり区別すべきだと考えています。

前者なら夫婦カウンセリングが有効になることもあります。
でも後者では、まずは安全確保と自己尊重の回復が最優先です。

これは「夫婦としてやり直せない」と決めつけることではありません。
ただし変化のためには、相手が自覚し加害性に向き合う姿勢が不可欠だからです。


▪まとめに


「夫婦で来れば変わるかもしれない」ーーその願いはとても理解できます。
けれど、相手が変わることを期待して相談に来ても、本質的な変化が望めないことがあります。

大切なのは「自分に何が起きているのか」を正しく知り、感覚を取り戻すこと。
それが回復への確かな一歩になります。


もし今、「もしかしてうちもそうかも…」と感じているなら、まずは個別カウンセリングを考えてみて下さい。


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