警鐘ブログ|「夫婦関係の修復が難しい」と専門家が伝えるとき

こんにちは。
夫婦カウンセラーの北村です。

今日は、ひとつの事例をもとにお話しします。

少し重たい内容になりますが、
今まさに夫婦関係で大きな決断を前にしている方にとって、
立ち止まるきっかけになればという思いで書いています。

※安全に関わるため、詳細は一部伏せています。

カウンセリング


◆ ずっと通われていた男性クライアントの事例


長く相談に通われていた男性クライアントがいました。
専業主婦の奥さまの怒り方に、強い不安を感じてのご相談です。

・激しい怒りの爆発
・威圧的で支配的な態度
・時には刃物を持ち出すほどのキレ方

夫婦喧嘩という言葉では収まらない、
明らかに「境界線を越えた怒り」がありました。

それでもこの男性は、
「できれば離婚はしたくない」 「修復できるなら修復したい」
という気持ちを一貫して持っておられました。


◆ 専門家として、強く警鐘を鳴らしていたこと


私は、修復を望むお気持ちそのものを否定したことはありません。
ただ、繰り返しお伝えしていたことが一つあります。

「この状態で、マイホームを持つことだけは、慎重に考えてほしい」

家を持つこと自体が悪いわけではありません。

しかし、夫婦関係が不安定なまま、支配や強い怒りが解消されていない状態で、
後戻りしにくい大きな決断をすること。

これは、問題を解決するどころか、逃げ場を塞いでしまうリスクが高いからです。
勿論、男性も同じことを危惧しておりました。


◆ それでも進んでしまった現実


しかし奥さま主導で、物件の話は契約段階まで進んでいきました。
そこで男性は、戸惑いながらも「子どものため」という思いから、条件付きで了承しました。

夫婦で交わされた約束は、
 
・これ以上激しくキレないこと 
・良好な夫婦関係を意識すること

するとその場では、「分かりました」「改めます」という言葉があったそうです。


◆ しかし、現実に起きたこと


ところが引っ越しが終わった直後から、
怒り方は収まるどころか、むしろ激しくなりました。

再び、以前と同様の危険な怒りの爆発が起きました。

そこで男性は初めて、 
「もう、離婚もやむを得ないのかもしれない」 と相談に来られたのです。


◆ 専門家が「改善は難しいかもしれない」と伝える理由


ここで、どうしてもお伝えしたいことがあります。

専門家が「改善は簡単ではないかもしれない」
「慎重に考えたほうがいい」 と伝えるとき、
それは感情や主観で言っているわけではありません。

・怒りの爆発の質
・支配やコントロールの強さ
・モラハラ傾向の強い場合、安心や優位性を得ると制御が外れやすい

似たケースを長年見続けてきた中で、
「環境が変わっても、構造が変わらなければ繰り返されやすい」
という現実があるからです。

今回のケースも、約束が破られたというより、
「そもそも構造が何も変わっていなかった」と見るほうが自然でした。

支配的な関係では、
立場が安定した瞬間に元に戻る、あるいはエスカレートすることも珍しくありません。


◆ 一番つらい結末とは?


この男性は、何も考えていなかったわけではありません。

・きちんと相談に来ていた
・危機感を持っていた
・それでも流れと圧に押されて決断してしまった

その結果、より深刻で、より危険な状況に入ってしまいました。
これは「相談しても意味がない」という話ではありません。

むしろ逆で、相談に来ている “今” こそが、一番まだ引き返せるタイミングだった、
という現実です。


◆ このブログで伝えたいこと


この話は、マイホームを否定するわけでも、離婚を勧めたいわけでも、修復を否定したいわけでもありません。

専門家が「慎重に」と言うとき、
それはあなたの希望を否定するためではなく、
これ以上、選択肢を失わないためです。

「修復したい」という気持ちが強い人ほど、
危険な決断を “前向きな決断” と勘違いしてしまうことがあります。

もし今、大きな決断を前にして迷っているなら、
どうか一度、立ち止まってみてください。

➡離婚=失敗ではない理由ーカウンセリングの現場から/後悔しない選択のためにー



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